warayamanga

主にハイパーインフレーション(漫画)について書いていきます

ハイパーインフレーション 15話感想 ~レジャットVS覚醒ダウー~

待ちに待った15話公開。

いつも通り予想は大外しだが、そんなことはどうでもいいくらい、過去一といっても差し支えないくらいの面白さと熱量を誇る話だった。

 

膨大な小ネタすべてに触れていると終わらないので、レジャットと覚醒ダウーによる世界最強決定戦について本記事では振り返っていこうと思う。

 

 

■人間の英知の結晶 ボクシング

 

なーーー  英知ィーーーー

 

先手を打つはレジャット。野人への対抗策として格闘技ボクシングを披露。しかもいきなり脳震盪を狙った一撃とかなり合理的だ。ただ、残念ながらヘビー級のダウーを前にレジャットの右手は粉砕し、人類の英知は敗北する。

 

そもそもボクシングは拳をBoxに見立てぶつけ合う競技だが、素手での打撃は与えるダメージ以上に自分へのダメージが大きくなるリスクをはらむ。人知を超えた恵体であるダウーを支える骨格。今回であれば、あごの骨と頸椎と背骨の強度およびそれらを支える筋肉は人類の英知の枠外の存在であったのだ。ただ、それにしてもレジャットの右手へのダメージが大きすぎるが。

 

ボクシンググローブは手の保護と、グローブ自体の重さを打撃にのせられることから、低リスクで脳震盪を狙えるが、素手かつ暗闇の中わずかな灯りを頼っての打撃では正確に顎を揺らすことはできないだろう。入射角もいまいちに見える。『喧嘩稼業』にて石橋強相手に、打撃による有効打の難しさ及び状況から、初手の攻防で三角締めを十兵衛は選択したが、同様にダウーの脳を揺らすのは簡単ではないという結果となった。暗闇の中でのフェイントに効果はあったかはともかく、ほぼ無防備な顎への一撃があの結果のため、一般の人間が打撃でダメージを与えることは不可能ではないだろうか。

 

 

■一瞬にしてレジャットの弱点を見抜きおった!!

 

そもそもダウーは普通の人間を紙のようにちぎって蹂躙するウボーギンの如き戦い方で普段は相手を圧倒出来るため、弱点など狙う必要がないため、股間蹴り上げは相手を強敵と位置付けての急所攻撃だったのかもしれないので、あながちグレシャムの解説は間違っていないかもしれない。

 

股下3センチの攻防により、ルークのように生殖能力を失うことを回避できたレジャットではあったが、さらに右手はバキボキに。レイザーとドッジボール対決した際のヒソカやキルアなみに手がボロボロである。

 

柱に押しつぶされそうなところをギリギリで回避して、ハッチを突き破り嵐の船上へ。ここで舞台は移り、場外乱闘へ。

 

金的をギリギリで回避したとはいえ、ダウーの全力の蹴りを受けながら、冷静に柱の回避を図り、その短い時間で次の一手を打つレジャットはまさに超人である。

 

 

■不安定なヤードの上での攻防

 

雷鳴轟く中、ヤードの上で相対する二人。レジャットの見込みは外れ、圧倒的な体幹によるバランス感覚から放たれるミドルキック。ただし、それはレジャットの罠だった。けり足を狙いサブミッションをきめーー

 

ダメだー  速すぎるー

 

右手に続き左のあばらがお亡くなりになったレジャット。そのまま空中に投げ出され、勝負にならないッ!!

が、レジャットはその展開も織り込み済み。ロープをつかみ勢いを活かしながらダウーにも攻撃を加え、屈強なガブール人との連携で、ダウーは落下。

 

そもそもランプを抱えながら蹴り足にどのような技をかけることを想定していたか気になるところである。そしてあそこまでダメージを負い、ダウーのミドルキックを受けてなお、ロープをしっかりつかみ離さない点は、くぐり抜けてきた修羅場の壮絶さをほのめかす。

 

■決着

 

案の定麻酔を持っていたレジャット。身動きのとれないダウーに対して勝利を確信し、麻酔投与をしようとしたその刹那、ダウーは舌で麻酔を弾き飛ばし、レジャットを捕獲し、補食。絶体絶命のレジャットはハルに変身し(違)、その隙に麻酔を打ち込み、勝利。超人と野人の戦いは超人に軍配があがる結果となった。

 

ダウーの無力化を図る切り札の麻酔を有しながら、さらなる奥の手を隠し持っているレジャットは妖狐蔵馬に切り捨てられた経験でもあるのだろうか。

 

多くの負傷で体はボロボロだが、ダウーの無力化に成功したレジャットは、改めてルークを追い詰めるのであった。

 

 

■感想

 

いつも一切の既視感を感じさせない本作ではあるが、今回の戦闘描写は、『喧嘩商売』における十兵衛VS工藤の戦いを彷彿とした。単純な戦闘能力では圧倒的に勝る工藤に対して、十兵衛は策や卑怯な手を駆使して互角の戦いを行い、最後にはビルから突き落とした。十兵衛はここで油断をして工藤にボコボコにされたが、レジャットは最後の最後に奥の手の服の切れ端を持っていたおかげで、勝利をもぎとった。正々堂々とよく言えたものである。

 

レジャットはもちろん超人なのだが、ダウーとの純粋な勝負では分が悪いため、多くの策を駆使して戦った。そもそもいくら奥の手があるとはいえ、ダウーとの一騎打ちに臨むなどまともな人間のできることではない。狂っているな。

 

ボクシングを使い、関節技も使え、作戦失敗時に即座に次の一手を打てる。

智と暴を兼ね備えたレジャットに果たして勝てる人間はいるのだろうか。