warayamanga

主にハイパーインフレーション(漫画)について書いていきます

ハイパーインフレーション19話感想

怒涛の前回から今回一気にアホな誘拐犯編(?)も完結。

喧嘩稼業風に言えば、「偶然が運命を変えた」的な目まぐるしい展開の連続。

まあ、相手が考えなしなだけなのだが。

 

 

■ダウーのスピード

さすがのダウーも二人を抱えながらのダッシュでは、

馬車のスピードにはかなわないことが判明。

人間離れしていたダウーだが、完全無欠ではない。

 

ただ、馬車の形状から、現実世界のカブリオレタイプのように見えるが、

このタイプはせいぜい時速10km程度だったようなので、

3人乗り+1億ベルクの重量を1馬力で走らせる場合は、

さらに遅そうであり、ダウーが追いつけないのは違和感が残る。

 

まあ、この点はそこまで描写が詰め切れていないだけだろう。

そもそも普通の人間では二人抱えて走ることすら困難なので、

まともに追跡できるだけでもすごいのかもしれない。

 

 

■偶然殺された住人二人

 

不遇な扱いを受ける登場人物が多い中、

最も不遇かつ不憫な二人かもしれない。

そもそも1億ベルクの取引の後にどこに逃げ込むかも決めていない誘拐犯たちがイカれてる。

強い相手だったらどうするんだ。

今回と前回で彼らの頭の悪さをいろいろ描写しているが、

予定通り身代金入手できたのに知らない民家に押し入る。という点がMVPだと思う。

 

 

モンスターハウス

 

ルーク達、クルツ達、ヨゼンが集い、

モンスターハウスと化した民家。

奇遇なことに、同日更新だった、「いじめるヤバイ奴」の最新話タイトルがモンスターハウスだった。

これがシンクロニシティ。。。

 

 

■出たらぐしゃっ

 

ダウーの一撃の犠牲者となったのはヨゼン。

ただ、悲鳴はあげていたもの、大したダメージはなし。

これが、ヨゼンではなく誘拐犯たちだったら、

ぐしゃっとなっていた一撃だったのか、

ルークの指示を守ってかなり加減されていたのかは判断が難しいところ。

 

 

 

■ヨゼンの実力

 

素面で振るわれた剣技は圧巻の強さ。

クルツの部下たちをばっさばっさと切り捨てていき、

人体を盾にして銃を防ぐ戦闘IQの高さも見せ、

ダウー(石装備であれば)もスピードで翻弄する。

ダウーもかつての強敵であるレジャットと天秤にかける。

刀装備の状態であれば、レジャット以上の戦力なのは確定か。

 

また、ダウー相手に全力を出せたことに礼を言っており、

彼がサムライの中でもトップクラスの実力であることも間違いない。

薩摩示現流あたりがモチーフではないだろうか。

 

失敗にこそ終わったが、素肌部分を斬りつけていれば、

ダウーに麻酔なしで勝利する唯一無二のチャンスだったと思うと、

ヨゼンもなかなか運の無い男である。

ただ、フラペコが髪ではなく、本体を狙撃していたら死亡もあり得たので、

悪運が強いともいえる。

 

 

■頭脳戦(-)

 

ここまで徹底的に高いレベルで相手の策略を読みあいながらの攻防を描写していたため、

対誘拐犯との攻防が高いコントラストとなり面白い。

まだ敵に囲まれている状況なのに、わずかな疑念で仲間の頭をぶっ飛ばすのは脳筋すぎる。

レジャットの銃弾を止める際にも使用した、札束による物理的な攻撃+ダウーのドロップキックで最終決着。

 

 

■ハルの居場所

 

ゼニルストン自治領にハルがいることが判明。

個人的にはこの設定はかなり巧だと感じる。

 

まず、自治領という存在は現実のイギリスもドミニオンという名で世界的に有していたが、

半独立国家のような形であり、まさに立ち入りが難しい。

国家の影響が及びにくいため、レジャット達がすぐに見つけられない現状にも説明がつく。

 

まだ奴隷制が残っているとのことだが、自治領でその体たらくなのに、

レジャットはよくそんな状況で正義を輸出するとか言えたもんだ(何回目の指摘だ)。

 

 

 

いよいよルークの最大の目的であるハルの所在もわかり、

救出に向けた作戦を今後練っていく形になるのだろうが、

直近の超絶テンポを考えると、3週後くらいには助け出していてもおかしくないのが怖いところだが、

どのように話が転がっていくのか非常に楽しみである。