warayamanga

主にハイパーインフレーション(漫画)について書いていきます

ハイパーインフレーション 23話感想

ハイパーインフレーションは経済漫画だった(今更)。

珍しく前回感想記事の予想展開がほぼ的中し、

帝国陣営での状況整理とコレット先生による金本位制経済の基礎のお話。

 

warayamanga.hatenablog.com

 

ルークという最強の印刷機を前に帝国のとる対応は……。

 

■男の子に詳しい有識者もだ!!

 

その枠はレジャットでいいだろ(終)。

 

今回全体的にまじめな展開なので、

パワーワード的な傑出度が妙に高い。

 

ゼニルストン自治領の議論といい、

妙に勘がいいモブがいるのが笑える。

 

議論していた有識者の中の誰かが男の子に詳しい有識者だと思うと、

ヴィクトニアの人材の豊富さに驚くばかりだ。

多分招集できなかったとは思うが。

 

ただ、真面目な話、ルークぐらいの少年の心理に詳しい、

子供の行動学者とか出てきたら、

ルークの次なる一手の推測に役立ちそうではある。

 

■レジャットの主張

 

ルークの贋札奪取には失敗したレジャットではあったが、

ヘアンがルーツのケシはちゃっかり入手していた。

相変わらずの巫女のコンプラ意識の低さに驚愕する。

 

ただし、物証として弱いのは事実。

当然のように根拠の弱さを指摘される。

 

祖母が奴隷だったことをさらっと言ってたが、

レジャット自体は生粋のガブール系ヴィクトニア人という予想通りの結果だったといえる。

 

差別と事実を切り分けて考えることは現実世界でも非常に難しい。

時に事実は差別によりゆがめられ、因果関係や善悪の尺度を公平に客観的に評価できない場合が多い。

その事実をしっかり認識して議論しているだけでも、

ヴィクトニア帝国の中枢はそこまでは腐っていないことが分かり、

グレシャム奴隷貿易の摘発の指摘を正当に評価していることからも、

少なくとも表面上は世界の覇権国家としての模範を指し示す意思は見て取れる。敵国に贋札はばらまくが。

そういえば屈強なガブール人達はどうなったんだ。

 

スペトの存在は帝国側も迷信としては認識しているようだが、

500年前の混乱の情報が残っているということになる。

レジャットは過去の王たちの情報を巫女から聞いたと言っているので、

イエフやタツバは帝国は迷信レベルでも知らない可能性はある。

 

植民地相がルーク達の消息が分からない状況に対して、

どこかに潜伏している可能性を示唆していたが、正解である。

で、植民地相という立場上、ゼニルストン自治領に発想が及んでもおかしくない。

 

コレット先生による経済講座

 

非常に分かりやすい金本位制と兌換紙幣についての解説。

驚き役としてヨゼンがアホっぽい描写があったが、

半年前まで、鎖国している日本的な国家にいたことを考えると、

十分すぎる知性レベルではあると思う。

 

そしてコレットの経済に関する高い教養は素晴らしい。

銃に欲情する変態なのが惜しいところ。

ただ、経済に関する知識はレジャットからの受け売りな気はするが。

 

■ルーク陣営の状況

 

10億ベルクまで贋札の規模を拡張していたルーク。

さらに1日1億ベルクの上限まで突破しノリノリである

今回で、流通しているベルクが4500億ベルクであることが判明しており、

グレシャムが言うように政府との交渉には365億ベルクは欲しい気がする。

そもそも信者の必要数の確保や各地への贋札配備を考えると、

数カ月の準備期間はいりそうな気がするのだが……。

 

 

■レジャットが5日でやってくれました

 

5日は早すぎるだろ!としか思えないが、

レジャットの具体的な作戦とは一体……。

もし、ほんとに5日でやってしまったらルーク陣営は完全な積みだが果たして。

 

 

 

経済漫画としても一流であることが今回再確認できた。

ジェバンニも真っ青なレジャットの計画詳細が非常に気になるヒキで次回。

相当な強硬策だろうが、まさか紙幣のデザインも自分でやるつもりか…。あの画力ではむりだーーー。