ハイパーインフレーション 27話感想
2021年最後の更新(おそらく)となる27話。
着々と贋札製造に関する課題をクリアし、残るは版のみ。
最後のピースとなるのは……
■フラペコじゃなかった
器用貧乏とは名ばかりの超絶便利屋兼みんなのお母さんフラペコの出番かと予想していたが、さすがに専門家の力が必要なようだ。まあ、この件をフラペコが解決したら透かしに関してその道の職人連れてきた26話がギャグ描写になってしまうので当然か。
そのキーマンは元画家の「ビオラ」。プロバガンダ紙幣を作成していた経験があるとのこと。画家としての腕は確かであるが一筋縄ではいかない思想の持ち主であることがこの事実だけで読者に印象付け、ルークに限らずビオラに興味を持たせる描写は流石である。
「娼婦をしている」→「買いに行こう!!」→「息抜きが必要です!!」
の流れは完全に狙っていて最高だった。
■グレシャムの欲
ビオラは娼婦をしているようだが、グレシャムはそういったお遊びには興味もなく才能もないことを自負していた。ニュアンス的には直接的な性交渉というより、キャバクラ遊びに近いかと思うが、この怪人が本当にカネにしか興味ないことがさらに強調される描写となった。
年齢は60近いグレシャムなので、単純に生殖能力の衰退も相まっての発言という可能性はわずかにあるが、本当にカネ稼ぎにしか興味がないのだろう。どのような経緯を経てこのような守銭奴になったのかは今後触れられるとは思うが、彼の青年時代や過去の失敗エピソードは大変興味深い。
■江戸っ子気質のビオラさん
ビオラはまさかの一人称「俺」の江戸っ子気質としかいいようのない豪快な女性だった。ただ、別荘にいるツレには口調を変えており、これだけで娼婦としての人気が高い理由が垣間見える。
見せ金のハッタリに騙されてフラペコにお猿さん呼ばわりされているが、ルークのハッタリは当然のロジックであり、騙されてもしょうがない。
過去にも多くの男たちが言い寄ってきており、その中には知った顔も。
ヨゼン、、その交渉成功していたら刀も引き渡さなければいけないんだが、それでいいのか、、、。
グレシャムの10ベルクで交渉というそもそもセンスとかそういう問題ではない無茶苦茶な交渉についてはある意味ポリシーを曲げないという粋な生き方な気もする。10ベルクを払う時ですら滅茶苦茶嫌そうなのを見ると、船で金庫を捨てるように指示したこと、転じてルークに関して高い価値を感じていることが強調されてアツい。
■これが燃えている間俺のものになれ!!
ビオラでなくてもこんなんやられたら即粋不可避である。ビオラといいダウーといい、年上お姉さまを魅了することに定評のあるルーク氏。生殖能力が無いのが大変残念である。ダウーに与えられた能力がルークに与えられていたら、最強の雄が誕生していたであろう。
粋ーーッ!!に関しては粋か粋でないかが主軸になっていた時点で嫌な予感がしていたが、ここまで勢いのあるリアクションとは思わず、笑いが漏れた。
■贋札殺しとの過去
どうやらビオラと贋札殺しは旧知であり、どうも恋慕していたようだ。まだ分からないが。贋札殺しも初登場から毎回登場しているので、今後レギュラー化しそうだ。
当時は画家としてのつきあいだったのが、贋札殺しがカメラの登場で、画家の道を離れ、カメラではできない版づくりの道に進み、それを寂しく思うも自分も試したら才能があった。といった過去がありそうだがどうだろうか。
いよいよ贋札作り編も佳境になってきた。
レジャット陣営の動きは今回なにも描写されなかったため、次回でルーク陣営の準備完了とともにレジャット側も少しずつ追い詰める準備を進めるといったところか。
2022年もハイパーインフレーションから目が離せない。