warayamanga

主にハイパーインフレーション(漫画)について書いていきます

ハイパーインフレーション 「本編は今回お休みします。」考察

前回記事では、番外編として掲載された読切版について触れたが、
冒頭で住吉先生が読者にあてたメッセージについて考察(?)していく。

 

■連載のキッカケとなった、お試し版のようなもので、読み飛ばしていただいても本編の読解に影響はございません。

作者より明確に本編読解に影響ないと言われているにも関わらず考察した身だが、
「本編の読解」という、あえて読解という表現を使っているのは、
本編はある種の考察や予想を前提とした作品にしていることを匂わせているのではないだろうか(考えすぎ)。

 

■純粋に漫画を描きたいという思いが90%、不純に印税が欲しいという思いが10%です。

不純と書いているが、一般的な作家は10%どころではないので、
嘘偽りない記載であれば、相当の純度であると言える。
試金石で試したいところである。
ルークの偽金貨の金含有率12%より印税が欲しいという思いの割合が低いので、
もっと自信の欲望に素直になった方がいいのではないだろうか。

 

■だからコミックスの印税は10%なのです。


私はコミックスの1巻はKindleで購入した(本当は紙でも欲しい)が、
価格は693円だった。
実際に印税が10%なのであれば、
私個人の購入の事実では約69.3円しか住吉先生に届かないのは口惜しい。
ジャンプフェスでグッズを作ってほしい。
ベルク札とかレジャットが作ったボトルシップとかどうだろうか。


■私をハロウィンに誘ってくれるような友人がいれば、間に合わなかったでしょう。危なかった。

住吉先生が宇宙の魔人の攻撃を受けてなくてよかった。
世の中が浮かれている中、締め切りに追われ漫画を描き切ったことに、強い尊敬の念を抱く。
ただ、2021年5月現在、新型コロナウイルスの猛威から、
ハロウィンも従来のような頓智気なイベントとしての文化は滅びる可能性もあることを思うと、
ラストチャンスだった可能性もあるので、なおさら感謝申し上げたい。

 

■第一次審査はジャンプ+編集部員による連載会議で、その模様はネットに公開されています。

この情報をもとに私も当該記事を読んだが、
各編集が候補作品をいくつか推して、話し合いで編集長に提案する10作を選定しているが、
読み物として単純に面白く、意見がかなり分かれるのはある意味漫画の良さだとも思う。
決して強く順位を決めているわけではないが、本会議では期待度2位の位置づけであり、
それだけ完成度が高かったこと、プロの編集にもささったことがうかがえる。

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■第二次審査は読者投票です。三日間に一話ずつ公開され、獲得した「いいジャン」数を競います。
 私も、いち読者として自分の漫画に「いいジャン」したことは言うまでもありません。

結果だけ見れば、2位の「KILLER FRIENDS」にもダブルスコアの得票差で、
28,948のいいジャンを獲得して圧勝している。
住吉先生のいいジャンは順位には影響せず自分に1円入るだけだったわけである。
結果発表のページで気になるのは、1位取得の副賞の内容が、
ジャンプ+連載&コミックス化決定という点で、
現在ハイパーインフレーションは一巻がリリースされているが、
ここまではあくまでグランプリをとった副賞の対応であり、
以降の連載継続およびコミックスの販売がどうなるかは、
一巻の売り上げ次第という可能性もあるのではないだろうか。

短期連載のような形になるのは致し方ないにしても、
最低限最終話まで掲載されたコミックスはリリースしてほしい。
それなりの評判を得ているようにも思うが、
集英社なので安心はできない。

 

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ハイパーインフレーションの連載が開始したのは約一年後の2020年11月です。どういうことでしょうか。
 なんのことはない、私の筆が「超遅!」だった訳です。

住吉先生は超遅!と謙遜しているが、現在隔週連載の本作は毎回約30ページの濃厚な分量で、
週刊連載とほぼ遜色ないペースで掲載されてきていた。
ただ、ここはメタ的な読みになるが、
本作はゴールドグランプリ受賞の副賞のコミックス化が絶対条件としてあるため、
実連載開始までにある程度のストックは用意があったのではないだろうか。
内容的にもアンケート結果によって方向性を変えるとかそういう要素も少ないと思うので。
そのため連載開始もグランプリ受賞から1年空いたのではないかと考える。


■とはいえ「休載」は作者にとっての「救済」に他なりません。
 今後の展開を練り直し、次回から少しでも楽しんでいただけるよう励みます。

住吉先生の救済になるのであれば、2週間なんてあっという間である。
ヴィクトニア帝国までの航路半分程度だと思えば、耐えられる。

気になるのが「今後の展開を練り直し」という点。
構想はあったもののまた再構成しているようなニュアンスである。
現在まではもともと読切時にあった構想+船上での頭脳戦・肉弾戦を経て、
一種の仕切り直しになっており、無限の可能性がある状況。
今後の伏線のような描写も限られるので、私はグレシャムの金庫がキーというやや苦しい予想を立てているが、
大きく話を動かす局面として今後数話分のディティールを詰めているのではないだろうか。
今から期待値のインフレが止まらない。毎回超えてくるのだが。

また、最後の一文は、「次回からも」ではなく、「次回から」という表現になっているのが、
先生の人柄が表れているなあと個人的には思う。
掲載分を読み飛ばさず最後まで読んでいる酔狂な人間はすべからく毎回楽しんでいると思う。
今から2週間後が楽しみである。これだけ今後の船内での攻防に期待しているのに、初手で帝国到着していたら笑う。

 

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