warayamanga

主にハイパーインフレーション(漫画)について書いていきます

ハイパーインフレーション 24話感想

新札への刷新を5日で完了してみせるというとんでもない大風呂敷を広げた前話。そして24話ではレジャット劇場全開のすさまじい大立回り。対するルーク陣営も負けていない。勝利の落札者は一体誰になるのか。

 

■レジャットの新札発行案

 

シンプルながら効果的な切手を付与することで暫定的に新札として扱うという方法。一からデザイン刷新するより手軽かつ早い。かつ預金封鎖と現行の紙幣の使用禁止案内により、ハイパーノートの効力を封じるというもの。

 

当然、反対意見が出る出る。

実際、事情を知らない一般市民からすると、そんな短期間で現在の1万ベルクが使えなくなるなんて横暴としか言えず、銀行はパンク。極論暴動もあり得るだろう。

 

だが、効果は絶大で、ハイパーノートの被害の最小化、そのほかの贋札対策などの効果は見込める。決をとるが……

 

■ハイッ

 

残念。レジャットさんだけでした。

 

何人か賛成してもおかしくないが、一人も手を挙げないのは潜在的なガブール系への差別意識からか。

 

しかし、ここで仕込みの有識者が状況を見て動く。大仰なパフォーマンスでその差別意識を口に出すのである。結果、レジャットの目論見通りの展開となり、落としどころとしてルーク捜索のためのマンパワーを手に入れるのであった。『HUNTER×HUNTER』選挙編のジンのようだ。

 

差別意識を利用したレジャットの策略は見事だし、打合せになかったであろうガブール人発言を最適なタイミングで放った有識者の対応力も素晴らしい。レジャットと旧知であり、見た目がよくなく、男の子に詳しい有識者(である可能性)。

これ以上はやめておこう。

 

現代社会でも黒人差別の問題の裏返しのように、コンテストや映画のキャストなどの黒人優遇や登用が進んでいたり、映画『ゲットアウト』では、黒人にコンプレックスを抱く白人をネタとしている。人種の区別・差別など大変愚かしいことだと個人的には思うが、歴史上も何度も繰り返されていることから、今後も完全になくなることはなく、一見なくなったように思えても心の奥底では暗い感情を抱いたまま、陰湿な隔たりを作っていくのではないだろうか。

 

■新しい隠れ家

 

クルツの計らいにより郊外の城に拠点を移したルーク陣営。ダウーも大はしゃぎである。

 

フラペコが没落前はこの3倍はある城に住んでいたとのことで、想定以上にええとこの子のようだ。それが、あんなにみんなのお母さん的な万能な技能持ちになるというのだから、よほど壮絶な半生を過ごしたのだろう。

 

■ルークの攻め

 

船編の時の予想で、レジャットに対して別の贋札を使ったかく乱を行うのではないかと予想し外れたが、ここで偽贋札作戦勃発。

 

忘れがちだがルークは贋金つくりのスキル持ちのため、この案にたどり着く。グレシャムとの奇妙な縁を印象付ける演出も素晴らしい。

 

 

■今後の展開予想

 

まずレジャット陣営。

人海戦術が可能になることにより、ガブール系ヴィクトニア人たちが最近なにやら怪しい新興宗教のようなものにはまっている情報は入手できそうである。

 

そこでカードとして切ってくるのは、そう、屈強なガブール人達である。

ガブール人達は帝国への上陸を拒否された後、一切描写がなく、現在何をしているか全く不明である。実は、あのあと思い直したレジャットが身柄を預かっており、ヴィクト語の学習を続けていれば、ルーク陣営の情報を探るスパイとしては適任である。ヨゼンは6カ月でほぼマスターしているので、カタコトレベルであればいけそう。ガブール系の集まりのみであれば、ガブール語でコミュニケーションとるだろうし。

 

ルークも約30人いたガブール人達全員の顔は把握していないだろうし、信者一人一人の情報などわかるはずもない。潜入し、居場所を突き止めることで彼らにとっての救世主であるレジャットへの貢献をしたいというモチベーションもある。

 

ルーク陣営は、ハイパーノートの貯蔵と偽贋札作りが直近のミッションなわけだが、金と違い、札の偽造はかなり困難なのではないだろうか。25話では冒頭苦戦を強いられるはずだ。

 

が、その膠着状況を打破するのはキングオブ器用貧乏 フラペコだと予想する。フラペコが一晩でやっちゃう展開あると思う。